2025.06.11
膝の内側が痛い…半月板のズレかもしれません
ハーモニー仙川中央整骨院です!
今回は「内側半月板亜脱臼(ないそくはんげつばんあだっきゅう)」についてお話ししていきます。
症状の概要
内側半月板亜脱臼とは、膝関節の中にあるC字型の軟骨「内側半月板」が、本来の位置から一時的にずれてしまう状態を指します。完全に外れてしまう「脱臼」とは異なり、部分的にずれては戻ることを繰り返すため、「亜脱臼」と呼ばれます。このずれが、膝の痛みや引っかかり感の原因となります。
具体的には、
- 膝を曲げると膝の内側が痛い
- 膝を深く曲げたり、伸ばしきったりすると痛みが増す
- 膝を動かす際に「カクッ」と引っかかるような感覚がある
- 膝の奥で「ポキッ」といった音が鳴ることがある
- 膝の内側が腫れる
- 急に膝に力が入らなくなる(ロッキング現象)
といった症状が挙げられます。
症状の原因
内側半月板亜脱臼の主な原因として、
- 膝への繰り返しの負担:スポーツ中の急な方向転換、ジャンプの着地、膝の捻りなど
- 加齢による半月板の変性:半月板が弾力性を失い、傷つきやすくなる
- 膝周りの筋肉のアンバランス:特に太ももの内側や外側の筋肉のバランスが悪い
- 関節の不安定性:靭帯の緩みなどにより膝関節が不安定になる
などが考えられます。特に、膝の曲げ伸ばしや捻りが繰り返される動作が多い方に発生しやすい傾向があります。
症状の治療法
内側半月板亜脱臼の治療法として、当院では以下のような方法を用いて症状の改善を目指します。
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整復(リダクション)
ずれてしまった半月板を、適切な手技によって元の位置に戻す処置を行う場合があります。これにより、急性の痛みや引っかかり感を軽減します。
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電気治療
電気治療は、痛みや炎症を軽減し、血行を促進するために用いられます。 ハイボルテージ治療は、高電圧の電気を用いた治療法で、強い痛みに対して即効性が期待できます。炎症を抑え、痛みを和らげます。 立体動態波治療は、深部の筋肉まで刺激する治療法で、筋肉の痛みや緊張を和らげる効果が期待できます。
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テーピング療法・サポーター
膝関節の安定性を高め、半月板への負担を軽減するために、テーピングやサポーターで固定を行います。これにより、半月板が再度ずれることを防ぎ、回復を助けます。
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手技療法
膝周りや太ももの筋肉の緊張を丁寧に緩め、血行を促進することで痛みを和らげます。また、膝関節や骨盤のバランスを整え、膝への負担を減らす施術も行います。
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運動療法
痛みが軽減してきたら、膝周りの筋肉の柔軟性を高めるストレッチや、膝関節を安定させるための筋力トレーニングを行います。特に、太ももや体幹の筋肉を強化することで、膝への負担を軽減し、再発予防に努めます。EMS(Electrical Muscle Stimulation)を用いた体幹の筋力強化も組み合わせ、全身のバランスを整えます。
改善事例
症例:
40代女性。 最近、階段の昇り降りや、正座をしようと膝を深く曲げると、膝の内側が「ゴリッ」と音を立てて痛むようになった。特に痛みが出ると、しばらく膝が曲げられなくなるような引っかかり感がある。
改善例:
問診と検査の結果、内側半月板亜脱臼と診断しました。
まず、ずれていた半月板を手技療法で元の位置に整復し、その場で引っかかり感が軽減しました。その後、ハイボルテージ治療で患部の炎症と痛みを抑え、再度の亜脱臼を防ぐためにテーピングで膝関節を安定させました。 数回の治療で痛みが落ち着いてきた段階で、立体動態波治療と手技療法を組み合わせ、膝周りの筋肉の緊張を緩め、血行を促進。 並行して、膝の安定性を高めるための太ももの筋力トレーニングや、膝の可動域を広げるストレッチなどの運動療法を指導しました。特に、膝に負担をかけない日常生活での動作や、階段の昇り降りでの注意点についてもアドバイスを行いました。
その結果、膝を曲げた際の痛みや引っかかり感がなくなり、階段の昇り降りもスムーズに行えるようになりました。正座も痛みなくできるようになり、日常生活の質が向上したと大変喜んでいらっしゃいます。
内側半月板亜脱臼は、膝の痛みの原因として見過ごされがちな症状です。放置すると、半月板の損傷が悪化したり、慢性的な痛みに繋がることもあります。 もし、膝を曲げると痛い、引っかかる感じがするなど、気になる症状がありましたら、一人で悩まずにハーモニー仙川中央整骨院にご相談ください。
副院長 板倉 基二