2025.07.13
手首(小指側)の痛み、続いていませんか?
ハーモニー仙川中央整骨院です!
今回は「TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)」についてお話ししていきます。
症状の概要
TFCC(三角線維軟骨複合体)とは、手首の小指側にある軟骨や靭帯などの複合組織のことで、手首の安定性を保ち、衝撃を吸収するクッションのような役割をしています。TFCC損傷とは、このTFCCが外傷や使い過ぎによって損傷し、手首の痛みや機能障害を引き起こす状態です。
具体的には、
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手首の小指側(特に手のひら側)の痛み
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手首を小指側にひねったり、タオルを絞る動作で痛みが増す
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ドアノブを回す動作で痛む
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手首を動かすと「カクカク」といった音や感覚がある
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手首の可動域が制限される
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患部を押すと痛みがある
といった症状が挙げられます。
症状の原因
TFCC損傷の主な原因は、手首への繰り返しの負担や、急な外力です。
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手首への急な衝撃や捻り:転倒して手をついた、スポーツ中に手首を強くひねった(テニス、ゴルフ、バドミントンなど)
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手首の使い過ぎ:パソコン作業(マウス操作)、重いものを持つ、家事、特定のスポーツの反復動作
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加齢によるTFCCの変性
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尺骨(前腕の小指側の骨)が長いなどの骨格的要因
などが考えられます。
症状の治療法
TFCC損傷の治療法として、当院では以下のような方法を用いて症状の改善を目指します。
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安静・固定
痛みが強い場合は、手首を安静に保ち、負担のかかる動作を控えることが非常に重要です。サポーターやテーピングを用いて手首の動きを制限し、TFCCの回復を促します。
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電気治療
電気治療は、痛みや炎症を軽減し、患部の回復を促進するために用いられます。 ハイボルテージ治療は、高電圧の電気を用いた治療法で、強い痛みに対して即効性が期待できます。炎症を抑え、痛みを和らげます。 立体動態波治療は、深部の筋肉まで刺激する治療法で、手首周りの筋肉の痛みや緊張を和らげる効果が期待できます。
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テーピング療法
手首の動きをサポートし、TFCCへの負担を軽減するために、症状に応じたテーピングを行います。
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手技療法
手首や前腕の筋肉の緊張を丁寧に緩め、血行を促進することで痛みを和らげます。また、手首の関節の動きを改善し、負担のかかりにくい状態に整えます。
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運動療法
痛みが軽減してきたら、手首や前腕の筋肉の柔軟性を高めるストレッチや、手首の安定性を高めるための筋力トレーニングを行います。スポーツ復帰に向けた段階的なリハビリテーションも重要であり、手首に負担の少ないフォームや動作を指導し、再発予防に努めます。
改善事例
症例:
30代男性。 趣味のテニスでフォアハンドを打つ際に、手首の小指側に痛みを感じるようになった。特に、ボールを打った後や、手首をひねる動作で痛みが強まり、日常生活でもペットボトルの蓋を開けるのが辛い。
改善例:
問診と検査の結果、TFCC損傷と診断しました。
まず、ハイボルテージ治療で患部の炎症と強い痛みを軽減。テニスプレイ時の負担を減らすため、手首を固定するテーピングを施し、安静を促しました。 数回の治療で痛みが落ち着いてきた段階で、立体動態波治療を併用しながら、手技療法で手首や前腕の硬くなった筋肉を丁寧にほぐし、血行を促進。 その後、患部の状態を見ながら、徐々に手首のストレッチや、安定性を高めるための筋力トレーニングなどの運動療法を開始しました。テニスをする際のラケットの握り方や、手首に負担をかけないスイングフォームについてもアドバイスを行い、再発予防に努めました。
その結果、テニスプレイ時の手首の痛みは大幅に軽減し、ペットボトルの蓋も痛みなく開けられるようになりました。以前のようにテニスを楽しめるようになり、大変喜んでいらっしゃいます。
TFCC損傷は、手首をよく使う方にとって身近な症状です。放置すると慢性的な痛みに繋がり、日常生活や趣味に大きな支障をきたす可能性があります。 もし、手首の小指側に痛みを感じたら、一人で悩まずにハーモニー仙川中央整骨院にご相談ください。
副院長 板倉 基二