2025.10.07
首から起きる神経痛の種類
【首の神経からくる痛み・しびれ】頸椎由来の神経症状とは?
「肩こりだと思っていたけど、手先までしびれる」
「上を向くと腕がズーンと重い」
そんな症状がある場合、首(頸椎)から出ている神経の圧迫や炎症が関係しているかもしれません。
???? 首の神経の仕組み
首の骨(頸椎)は7個あります。
その間から左右に神経が出ており、**C1?C8(第1?第8頸神経)**と呼ばれます。
それぞれが「首・肩・腕・手」へとつながり、感覚や筋肉をコントロールしています。
???? 頸椎の神経が関係する主な病態・種類
① 頸椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)
加齢や姿勢不良により、椎間板や骨の変形で神経が圧迫される状態。
腕?手にかけての「しびれ」「だるさ」「力が入りにくい」などが出ます。
特に長時間のデスクワークやスマホ姿勢で悪化しやすいです。
② 頸椎椎間板ヘルニア
椎間板の中身(髄核)が飛び出して神経を圧迫。
急に腕に電気が走るような痛みやしびれが出るのが特徴。
若い世代(20?40代)でも発症します。
③ 頸椎症性脊髄症
神経根だけでなく、**脊髄(中央の太い神経)**が圧迫される状態。
両手・両足のしびれ、細かい動作のしにくさ、歩行時のふらつきなどが出ることもあります。
④ 胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
首から出た神経や血管が、**鎖骨や筋肉(斜角筋・小胸筋)**の間で圧迫される病態。
肩から腕のだるさ・しびれ、手の冷えや握力低下などが起こります。
姿勢の悪化(巻き肩・猫背)も原因の一つです。
⑤ 肩甲上神経痛
肩甲骨の裏側を通る「肩甲上神経」が、筋肉(棘上筋・棘下筋)の間で圧迫されることによる痛み。
「肩甲骨の奥がズーンと痛い」「動かすと響く」という訴えが多いです。
⑥ 後頭神経痛(こうとうしんけいつう)
首の後ろから頭の後方にかけて走る「大後頭神経」や「小後頭神経」の炎症・圧迫。
「後頭部がピリピリ」「頭皮を触ると痛い」といった症状が特徴。
ストレスや首の筋緊張、冷えなどで悪化します。
⑦ 肩甲背神経痛(けんこうはいしんけいつう)
頸椎C5付近から出る神経で、肩甲骨周囲の「菱形筋」や「肩甲挙筋」に関係。
デスクワークで「肩甲骨の内側の痛み」「背中のコリ感」が続く方に多く見られます。
⑧ 小後頭神経痛・大耳介神経痛
首の上部(C2?C3)から出る感覚神経。
耳の後ろ?側頭部にかけてピリピリ・チクチクとした痛みが出ることがあります。
マスクやメガネの圧迫でも誘発されることがあります。
⑨ 肩甲間部神経痛(けんこうかんぶしんけいつう)
頸椎中部から出る神経が肩甲骨の間の筋肉を支配しており、
デスクワークや姿勢不良によってコリとしびれが慢性化します。
???? 症状を感じたら
首からくる神経のトラブルは、
「どの神経が影響しているか」で痛みやしびれの出る場所が違うのが特徴です。
整骨院では、筋肉の緊張や姿勢のゆがみを整え、
神経への負担を軽減する施術やストレッチを行うことで改善を目指します。
早めのケアが、慢性化を防ぐ第一歩です。
???? まとめ
主な神経 | 症状の出やすい場所 | よくある原因 |
---|---|---|
C5 | 肩・上腕の外側 | 頸椎症・椎間板ヘルニア |
C6 | 前腕?親指側 | 頸椎椎間板ヘルニア |
C7 | 中指・腕の後ろ | 姿勢不良・骨変形 |
C8 | 小指側・手のひら | 胸郭出口症候群など |
副院長 板倉 基二