親指の付け根が痛い…ドケルバン病について

2025.05.31

親指の付け根が痛い…ドケルバン病について

ハーモニー仙川中央整骨院です!

今回は「ドケルバン病」についてお話していきます。

 

症状の概要

ドケルバン病は、手首の親指側にある腱鞘(けんしょう:腱を包むトンネルのような組織)に炎症が起こり、痛みや腫れが生じる状態です。親指を動かすときに使う腱が、腱鞘との間で摩擦を起こしやすくなることで発症します。

具体的には、

  • 親指の付け根から手首にかけての痛み
  • 手首の親指側の腫れ
  • 親指を動かすときや、物をつかむ・握るなどの動作で痛みが強くなる
  • 特定の動きで引っかかるような感覚がある

といった症状が挙げられます。

症状の原因

ドケルバン病の原因として、

  • 手首や親指の使い過ぎ:家事(特に包丁を握る、鍋を持つ、洗濯物を絞るなど)や子育て(抱っこ、授乳など)による繰り返しの動作
  • スマートフォンやパソコンの長時間使用
  • スポーツ(ゴルフ、テニスなど)での手首への負担
  • 妊娠・出産や更年期によるホルモンバランスの変化
  • 腱鞘の炎症や腫れを悪化させる、手首の無理な姿勢

などが考えられます。

症状の治療法

ドケルバン病の治療法として、当院では以下のような方法を用いて症状の改善を目指します。

  1. 安静にする

    痛みが強い場合は、手首や親指を安静にし、負担のかかる動作を控えることが最も重要です。サポーターやテーピングで固定し、動きを制限することもあります。

  2. 電気治療

    電気治療は、痛みや炎症を軽減し、患部の回復を促すために用いられます。 ハイボルテージ治療は、高電圧の電気を用いた治療法で、強い痛みに対して即効性があります。炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。 立体動態波治療は、深部の筋肉まで刺激する治療法で、筋肉の痛みや緊張を和らげる効果が期待できます。

  3. テーピング療法

    手首の動きをサポートし、腱鞘への負担を軽減するために、テーピングを行います。

  4. 手技療法

    手首や前腕の筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで痛みを軽減します。また、手首や指の関節の動きを改善することも重要です。

  5. 運動療法

    痛みが軽減してきたら、手首や指の筋肉の柔軟性を高め、筋力を回復させるためのストレッチやトレーニングを行います。日常生活での手首への負担を減らすための動作指導も行い、再発予防に努めます。

改善事例

症例:

40代女性。 毎日の家事で包丁を握る、鍋を持つ、洗濯物を絞るなどの動作をする際に、親指の付け根から手首にかけて痛みを感じるようになった。特に朝起きた時に痛みが強く、家事がつらい状態。

改善例:

問診と検査の結果、ドケルバン病と診断。

まずは、ハイボルテージ治療で炎症を抑え、痛みを軽減。 手首の負担を減らすためにテーピングを施し、安静を保ちました。 立体動態波治療を併用し、手首周りの筋肉の緊張を和らげ、血行を促進。 痛みが落ち着いてきたら、手技療法で硬くなった筋肉を緩め、手首と指の可動域を改善する施術を行いました。 さらに、家事を行う際の姿勢や、手首に負担をかけない動作の工夫についても具体的にアドバイスしました。

その結果、親指の付け根の痛みは大幅に軽減し、以前のように家事をスムーズに行えるようになりました。朝の痛みもほとんどなくなり、快適な日常生活を送れるようになったと喜んでいらっしゃいます。


ドケルバン病は、手首をよく使う方にとって身近な症状です。放置すると慢性化したり、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。 手首や親指の付け根に痛みを感じたら、一人で悩まずに、ぜひ一度ハーモニー仙川中央整骨院にご相談ください。



副院長 板倉 基二